このブログは、メディウムになりたい
VUCA [i]、予測が困難な時代、プログラミング、答えがない、課題発見/解決、クリエイティブの時代、STEAM、思考力、多様性、持続可能。
思いつくままに、「今っぽい」言葉を並べてみました。
これらは全て、このブログのターゲットとするテーマです。
絵の具、素材、立体、造形遊び、表現、鑑賞。
これらも全て、このブログのターゲットとするテーマです。
美術教育史の中で長い時間をかけて培われてきた題材、素材、事例。
先生方が趣向を凝らした、これまでみたこともなかったような珠玉の授業たち。
時代を象徴するような、テクノロジーやロボティクスやアントレプレナーシップやプログラミング教育。
それぞれが別のこととして捉えられることの多いこれらを、このブログが自然なメディウムとなって、大きなひとつのこととして考えるきっかけになれればいいなあ、なんて、最初に編集の方から「図工とプログラミング教育について書いてほしい」とお話を頂戴したときに思ったのでした。
「今っぽい」「図工」
というのも、数年前に僕は、子どもたちだけでなく、全ての人を取り巻く環境のテクノロジーや、それに伴うスピード・リズムが変化していく、これからの時代の教育について思いを巡らせることがありました。するとそれはいつのまにか「人間にとって図工美術とは何なのか」という問いに変化していくのです。
今を生き、未来をつくる子どもたちに必要な、「今っぽい」と「図工」が繋がる部分。
その、接続の意味、接続の方法、接続の効果。
それらについて考えていると、実は「今っぽい」と「図工」の間の境界線は融解していて、「豊かに生きる」という言葉の上で同一であるようにも思えてきます。
「The Work of Wonder」は、豊かに生きるために、変化する(させる)こと/しない(させない)ことを冷静に捉えながら、時代を超えた「つくる」について考え、子どもたちに伝えていきたいという願いが込められています。(もちろん、アレをもじってますよ)
これから僕が書く記事をきっかけとし、このブログが場や空間となって、これらのことについて全国のたくさんの先生方と一緒に考え、コメントで交流ができたらと思っています。
はじめまして、しみてるです
さて、盛大に申し遅れました。
(株)ソニー・グローバルエデュケーション エデュケーションエヴァンジェリストという、肩書きを書くだけで1段占有してしまうような仕事をしています、清水輝大(子どもたちからはしみてると呼ばれている)と申します。
ソニーグループ全体の教育イベント「Sony STEAM Studio [ii]」のコンセプターから企画運営をしていたり、ロボット・プログラミング学習キット「KOOV® [iii]」を主に用いながら、全国の学校や学習塾の皆さんと、主体的に「よくみて」「学び」「発想する」姿勢を育む教材やカリキュラム、授業事例の開発[iv]などを行っています。
最近は、図工の教科書の著者でもいらっしゃる深沢アート研究所の山添joseph勇さんと、造形遊びに着想を得た「STEAMあそび」をテーマとした教材「CREATE by KOOV」[v]を開発しました。
そんな僕ですが、実はこれまでは、美術館学芸員や、科学館でキュレーターをしてきた、根っからの美術畑の人間です。
また、学生時代は「旅するムサビ(みなさんご存知?)」の最初期メンバーでもあります。
こんな不思議な経歴の僕ですから、図工、テクノロジー、時々突然、同居してるネコについても書くかもしれません。
若輩者ですが、どうぞみなさま、よろしくお願いいたします。
ところでみなさんは、ソニーに教育領域を主たる事業に据える会社があるって、知ってました?
実はソニーのファウンダーである井深大は、会社の設立趣意のひとつに教育を掲げているんです [vi]。
次回はこのあたりのご紹介から、記事を書き始めたいと思います。
[i] Volatility(変動性・不安定さ)、Uncertainty(不確実性・不確定さ)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性・不明確さ)の頭文字をとった、今の時代の特徴を表現した言葉。主にビジネスの世界で使われているが、最近ではこの時代を生き抜くのに必要な能力を育む学びについての議論が活発化している。
[ii] 2019年まで開催。2020年は「エンタメのブカツ」となり企画が大幅にアップデート、オンラインで開催。https://www.sony.co.jp/brand/stories/ja/our/products_services/steamstudio/
[iii] Sony Global Education「KOOV®」https://www.koov.io/
[iv]全国の教員の皆様や自治体の皆様と題材開発を行い、事例公開をしている「KOOV Caravan」
[v]好奇心と思考力を育む、ソニーのオンライン学習サービス「CREATE by KOOV」
[vi] 1946年(昭和21年)1月、ソニーの創業者のひとり、井深 大(いぶか まさる:ファウンダー・最高相談役)が起草した「東京通信工業株式会社設立趣意書」「会社設立の目的」に「一、国民科学知識の実際的啓蒙活動」とある。sony.com/ja/SonyInfo/CorporateInfo/History/prospectus.html
複数の美術館や科学館で、
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