説明会&体験会
今回の「図工のあるまち」も茨城県水戸市の《放課後の学校クラブ》の現場から。
前回の活動では新年度に向けてメンバー募集のチラシを作成した。その後、子どもたちが学校の中で色々と交渉を進めたようで、最終的には校長先生の許可を得て各昇降口に手づくりポスターが掲示された。いつもの学校ともうひとつの学校を往還できるのもこのプロジェクトの醍醐味である。
こうして3月20日と21日の二日間にわたり、説明会と体験会を開催した。学年に制限は設けていないため、1年生から(もっと言えば未就学児でも大人でも)入部することができる。会費も無料だが、いわゆる学童保育のように児童を預かるサービスではない。あくまでも子どもたち一人ひとりが創造力を発揮する場となることを前提としている。保護者も含め、こうした理念を共有してもらうことが重要である。
部員一同「誰か来てくれるかな」とドキドキしながら迎えた当日。子どもたちによる積極的な声掛けも手伝い、複数組の親子にご参加いただいた[i]。中には、いつぞやに《放課後の学校クラブ》の活動を見かけた際に「楽しそう」と思っていたという児童も。楽しさの輪が広がっていく様子は関係者の一人として嬉しい限り。説明会では、子どもたち自身によって活動の魅力が語られた。
発想ワークショップ
とは言え、話を聞いているだけだと分かりにくいため、実際に活動の一部を体験するワークショップを行うことにした。その名も「夢の学校くじびき」。これは、「学校にあるもの」と「それぞれの夢」を書いた紙を箱に入れ、1枚ずつ引きながら言葉を組み合わせていくというものである。これまでも、「ロッカーの問題」「雪だるませいとスキー」「おそうじフェスティバル」など、枠にとらわれない企画(授業)を考える際に用いられてきた。
学校にはどのようなものがあるだろう。いつもの学校をふりかえりながら、思いつくままに小さな紙に書いては箱に入れていく。「夢」も同様に。ただし、一口に「夢」と言っても壮大なものから今日の晩御飯まで様々。ある程度素材が集まったらくじ引きのスタートだ。学校と誰かの夢が言葉遊びのように組み合わされていく。「水道」と「宇宙飛行士」は「宇宙に水道をひく」になったり、「つくえ」と「海外旅行」から「つくえで海外旅行」になったりと、思いがけない発想が生まれることもしばしば。
企画書チャレンジ
黒板にはワクワクするフレーズがずらり。今回は、この中からそれぞれが面白そうだと思うものを選び、試しに企画書をつくってみることにした。不思議なタイトルからイメージを膨らませて「みどころ」などを書いていく。例えば、「ほうき」と「犬を飼いたい」を組み合わせた「ほうき犬」は、自動で掃除をしてくれる某ロボットのような設計図。「ねこになりたい電話」は、ねこの形をした電話の中に小さなねこが寝ているらしい。
企画書を書いたら実際につくってみたくなるのは世の常。段ボールやスポンジなど、コミュニティルームの事務室に常備してある《放課後の学校クラブ》のお道具ボックスから材料を引っ張り出して、早速それぞれのイメージを形にしていく。体験会と言いつつ、もうすっかり準備モードである。体験入部のメンバーも、ベテラン部員のナイスなアシストのもと、一緒に「りょうり友だち」を作成中。この春の新入生も含めて3名の新メンバーと一緒に活気に満ちた活動日となった。
[i] 説明会については保護者の参加を求めているわけではないが、親子でご参加いただく場合が多い。ちなみに、プロジェクトが始まった当初は、昼休みなどを使って児童のみを対象とする説明会も開催していた。活動を続けていく中で、保護者の関わりも増えていき、現在では一緒にプロジェクトを育てていただいている。
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