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第三五回 放課後の学校クラブ 第14回 「春の花感謝祭」レポート

「春の花感謝祭」準備の様子はこちらから

 

 

おむかえの準備

 

黒板も彩る
黒板も彩る

 大型連休真っ只中の4月30日。昨年度末から企画を進めてきた「春の花感謝祭」も本番を迎えた。今回は、久しぶりに大学生も参加しての活動となる。前乗りして学校近くの旅館で一泊。さりげなく広報しつつ、午前中に集まって1日の流れを確認。体調不良のため欠席となった部員もいたが、今回が発表会デビューとなる新2年生もやる気十分。

 

 とある6年生の部員は、これまでに用意していた内容が「なんか違うなぁ」ということで、紙コップを使った新しい活動を提案してくれた。個人的には、風車がくるくるとまわる仕組みを活かした授業にも期待していたのだが、ここは本人の意向を尊重。

 

 また、もぐらたたきのように花畑から登場する虫たちをハンティングする「授業」も計画変更。メンバーの一人が発表会に参加できない代わりにとつくってきた色とりどりの花を咲かせて、わなげのようなアクティビティへと姿を変えた。

 

 たとえ準備をしていても、《放課後の学校クラブ》の現場は基本的に行き当たりばったり。その意味では、特に誰かを呼ばずとも、つくることと発信することは同時進行である。果たして「発表」とは何なのか、と改めて自問自答。

 

色とりどりの花を準備
色とりどりの花を準備
わなげ用の花畑も完成
わなげ用の花畑も完成

 

 

待望の新入生

 

 とは言え、前回の発表会には入学希望者があらわれず、なんだかんだで消化不良だった部員たち。今回はどうなることやら。世間では新型コロナウイルスに対する自粛ムードもだいぶ緩和されたこともあり、各地でイベントが目白押し。個人的な見解としては、なかなか厳しいのでは、といったところが本音だ。

真剣に授業中
真剣に授業中

 初参加となる大学生にも「生徒」側にまわってもらうことで、何とかいつもとは違う状況は担保できるだろうか。小さな不安も抱きつつ、開始時間を迎える。書初めで目標にしていたように30人が列をなして、というわけにはいかなかったが、午後2時を少し回った頃、2名の入学希望者をお迎えすることができた。

大学生に手ほどき
大学生に手ほどき

 当初の時間割りに沿って、2分間のはじめのあいさつの後、前半の活動が始まった。まずは興味の赴くままそれぞれの「授業」に参加。先ほどのわなげのコーナーでは、学年に応じて投げる位置が指定されている。細かく点数を刻んでいたため、筆算をしながら得点を計算していた。「先生」も大変だ。

 

 

 6年生は高度な工作にも挑戦。紙の帯を組み合わせて無限にめくることができる本のようなものをつくる「授業」だ。どこで習得したのだろうかと尋ねてみると、情報源はYouTubeとのこと。今の子どもたちは身近なところにたくさんの「先生」がいる。ただし、これをまた別の誰かに教えるとなると話は別である。複雑な工程を伝えるのに苦労していた様子も見られた。やはり「先生」は大変だ。

 


わなげに挑戦
わなげに挑戦
わなげの得点を計算中
わなげの得点を計算中

 

 

五十音できるかな

 

「学校かるた」を製作中
「学校かるた」を製作中

 40分ほど経過したあたりで前半の活動はいったん中断。ここで「学校かるた」をつくる時間が始まる。前回の活動日に突如として提案されたアイディアだ。子どもも大人も一緒になって、読み札と絵札を量産していく。

 

 なかなかハードな活動のように思われたが、いざ始めてみるとユニークな読み札が次々と仕上がってきた。「しゅくだいをやらなかったらおこられる」「きゅうしょくでいちばんおいしいハンバーグ」などなど、子どもたちのいつもの学校に対するイメージが垣間見えて面白い。さらに語呂もいい。

 

 そんな中、とある2年生部員は「さよならよるだけに」という詩的な読み札を書いてきた。どことなく、前回の「図工のあるまち」で取り上げた「なむはむだはむ」を彷彿とさせる言葉選びだ。いろいろと想像が広がるフレーズにどのような絵札がつけられるのかも見所のひとつ。

 

 

白熱のかるた大会

 

自由コーナー
自由コーナー

 何となく「学校かるた」が揃ってきたところで一区切り。また散り散りになって後半の部のスタートだ。いつのまにか「自由コーナー」も設けられ、思い思いにものが生み出されていく。

かるた大会
かるた大会

 一方で、大人チームは先ほどの「かるた」の読み札と絵札をせっせと合わせていく。同じ頭文字が二つあるのもご愛嬌。足りない絵札は6年生にも手伝ってもらいながらひとまず完成させることができた。朱色の布を敷いてフィールドも準備万端。

 

 そして、いよいよフィナーレのかるた大会。絵札のまわりをぐるりと囲む子どもたち。独特な絵柄にお手付き注意だ。読み手は大学生の新入部員にお願いして真剣勝負のスタート。小学校入学前の子どもたちも連合チームで参戦した。

 

 笑いあり、涙あり、上級生の部員は若干の忖度ありで、予想以上の盛り上がり。勝負の行方はさておいて、「新しく来てくれた子たちももう部員みたいだね」と言われるほどにすっかり打ち解けていた。

 

 

 

 ちなみに、今回の「学校かるた」は永久保存版として《放課後の学校クラブ》の保存棚に収蔵することになった(1枚はどうしても持って帰りたいとの未就学児の主張により譲渡)。ご興味のある方は、ぜひ見学へ。

 

 

インフォメーション

月に1回程度の活動日はいつでも見学を受け付けています。ご希望の方がいらっしゃいましたら、以下の連絡先までメールでご一報ください。詳細をお伝えします。

メール:ichikawa.hiroya@gunma-u.ac.jp

 

 

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