2024年の計画
新年最初の活動日は、昨年と同様に書初めから。今年は墨だけではなく、色とりどりの絵の具を使って思い思いの言葉をしたためる。「笑顔」「感謝」「熱意」といったシンプルな言葉のみならず「交つう安全」や「きれいな星をみる」といった具体的な目標も。
そのままの流れで模造紙に1年間の計画を立てていく。まずはみんなで協力しながら十二か月を紙上に散りばめる。4年生はにぎやかに。6年生はきっちりと。そのまわりに「せつぶん」「ひなまつり」から「クリスマス」にいたるまで、季節の行事を書き込んでいく。
肝心の「放課後の学校クラブ」の活動としては、「三月」にメンバーぼしゅう、「五月」と「八月」にはっぴょう会が予定されている。ちなみに、八月には先ほどの書初めにあった「星かんさつ」と書き込まれていた。今年も素敵な「もうひとつの学校」が誕生しそうな予感。
一方で、未就学児や低学年チームはもう一枚の模造紙にやりたい放題。絵の具を自由に混ぜながらアクションペインティングに取り組んでいた。このコントラストが「放課後の学校クラブ」らしい光景でもある。
「校則」をつくる
ふりかえれば、2023年最後の活動日では、黒板への目に余る落書きが見られたことから、きまりごとがあった方がいいのでは、という話題へと発展した(詳しくは「放課後の学校クラブ 第17回 2023年をふりかえる」)。以前にも「校則」を決めたことがあったが、今回はどちらかというと活動を円滑に進めるための「ルール」に近い。
とは言え、大人が「~してはいけない」という禁止事項で抑え込むのは「放課後の学校クラブ」の本質からずれてしまう。あくまでも、子どもたち自身で考えてもらうため、話し合いの経過を見守ることにした。
すると、真っ先に出てきたのが「暴力をしない」という文言。なるほどそうきたかと思いつつ、このような意見が出るということは思い当たる節があったのかもしれない。続いて「走り回らない」「話を聞くときは聞く(←これもまた話を聞かなくていい時もあるよね、という判断か?)」「黒ばんにらくがきをしない」といった四か条が出揃った。
その後、「なんで走り回っちゃいけないんだろうね」「黒板をどうやって使うといいのかな」といったことをやりとりしながら、上級生部員を中心に最終的に以下の「校則」にまとめられた。
① ぼうりょくをしない
② はしりたくなった時は大人にたしかめる
③ 大事な話はきく
④ こくばんに落書きをしていいか大人の人にきく
これを守れなかったら……持ってきたおやつはおかしボックスに寄付をする、という恐ろしい罰則付き。低学年の子どもたちには少し難しいかもしれないが、ひとまずこれで様子を見ることに。
放課後の些細なできごと
みんなで決めた「校則」の効果があってか、その後の活動では黒板に落書きする場面は目に見えて減っていった。もちろん、「落書き」という行為そのものにも意味はあるわけで、それを制限することが絶対的に正しいというわけではないが、何となく落ち着いたようにも見える。
ただ、だからと言って椅子に座って静かに活動するとは限らない。3月のとある活動日には、2年生部員による微笑ましいハプニングが発生。木工用ボンド の塊をこねくりまわしていたところ、ふとした拍子に天井にくっついてしまった。「大変だ。どうやって取ろうか。」と少し大袈裟にリアクションしつつ、まずは本人に解決法を委ねる。ほうきを使って取ろうとしても届かない。
すると、6年生部員が助け舟。椅子の上に立ってほうきを伸ばしてみるもなかなか取れず。「先に割りばしをつければできるんじゃね」ということでカスタマイズ。みんなが見守る中、無事にミッション完了。ちょっとしたイベントであった。そう言えば、数年前にも同じようなことがあったようななかったような……6年生の成長を実感するできごとである。
それぞれの準備
そんな6年生ももうすぐ小学校を卒業。3月末に向けて「放課後の学校クラブ」プレゼンツの企画を立てていた。在校生向けにチラシも配り、新メンバー募集の機会にもなりそうだ。一方で、コミュニティ室となりの準備室では、4年生部員を中心に6年生を送る会の準備も進む。台本読み合わせの声が少し聞こえてしまうのはご愛嬌ということで、詳細は当日のお楽しみ。
そんなこんなで、いつにもましてそれぞれの立場から「放課後の学校クラブ」との関わり方をつくりだしていく時間となっていた。そして、みんなが「校則」を守ったことで、無事にお菓子は没収されることなく交換会へ。これもいつの頃からか始まった恒例行事。
気付けばだいぶ日も延びてきた。活動終了後、夕暮れ時の校庭で、学年を超えて遊ぶ風景はまさに放課後。世代を超えて受け継がれていく放課後らしさとは何だろう、とふと思いを馳せる。
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