次なるテーマは
6年生部員が卒業して少し寂しくなった放課後の学校クラブ。現メンバーは、さっそく新入部員募集に向けて意気込む。とは言え、その前に、まずは今後の計画を立てることから始めなければ……
新年にみんなでつくった計画をふりかえれば(新年の会議の様子は「放課後の学校クラブ 第18回 放課後らしさとは」からご覧いただけます)、5月に「はっぴょう会1」と書いてある。 が、今日はもう4月28日なので、準備の時間を考えると実現は難しそう。その次の「はっぴょう会2」は8月に設定されていたため、ここならできるかも。年間計画では、そのすぐそばに「星かんさつ」とあり、星と学校を組み合わせることで話がまとまった。その名も「かがやけ!!星空学校」である。
星は明るいと見えないので、暗くなってから学校をやってみたいというナイトツアープランも。ここで5年生部員を中心に企画会議が始まる。黒板には「星と学校を合わせて やることを決めよう」という課題が示され、久しぶりに「夢の学校くじびき」の方式を採用することに。2つの穴の開いた箱の片方に星にまつわる言葉、もう片方に学校にあるものや場所を書いた紙を入れていく。これを1枚ずつ引きながらアイディアの種を生み出していくという段取りだ。
校庭の星の本、ふたごのさそりのほけん室、悲しい星の白線ひき、あまの川でできてるかいだん……などなど、想像力を刺激するフレーズが並ぶ。ずらっと示された候補の中から、それぞれが取り組んでみたい内容を選び、企画書にまとめてみる。例えば、「星がでる水道」のチームでは、水に乗って星が飛び出す仕組みを考えていた。
新しいメンバーを迎えて
次回のテーマが明らかになったところで、一緒に「かがやけ!!星空学校」を盛り上げてくれるメンバーを募る。今回は、いつも活動場所としている浜田小学校だけではなく、おとなりの小学校にもチラシ配布のご協力をいただいた。すると、5月19日の説明体験会には、学区を超えて新入部員が参加してくれた。既存の学校の枠を取り払って活動できるのもコミュニティスクールのメリットである。
説明会の進行は基本的に子どもたちにお任せ。念のため、こちらでもスライドを用意していたが、どうやら使わなくてもよさそうだ。活動内容を分かりやすく伝えるために、黒板には「発表会にむけていろんな考えを出し合い工作する」「あったらいい学校を作ろう!」と書かれていた。改めてこのプロジェクトに対する子どもたちの捉え方が可視化されて興味深い。
説明はそこそこに、ひとまず体験してもらうのが一番ということで、前回の活動でリストアップされたアイディアの種を板書していく。ここから選ぶもよし、新しく考えてもよし。そのままいきなり星空学校の準備に突入。果たして十分に伝わっているのだろうかと不安半分で見守っていたが、とある新入部員はさっそく「七夕放送室」に加わって看板づくりに取り組んでいた。
星空から広がる発想
今回は、予め「星空学校」という明確なテーマを設定したことにより、部員一人ひとりが意識的に「授業」を組み立てていく様子が見られた。先にも挙げた「星がでる水道」のチームでは、夜空から連想したぶどうジュースの入ったペットボトルに穴をあけて、そこから噴出させる仕組みを構想。ちなみに、企画書の段階では「飲む」と書かれていた。
その後、ペットボトルに色水を入れて水の出方を実験していく中で、夜空だけではなく様々な時間帯の空の色をつくることへと発想が広がっていった。これは朝、これは夕方、一番暗い夜はこれ、といった具合に色水を調整しながら時間ごとに並び替えていく。空色のドリンクバーのようなロマンティックな光景が思い浮かぶ。あとは星をどう降らせるかが次なる課題だ。
新入部員が取り組む「七夕放送室」では、七夕の物語をもとにした紙芝居の準備が着々と進んでいる。おとめ座から発想をふくらませた「おとめの図書室」でも、オリジナルの本を用意しているらしい。この他にも「水がめさんのお夜食」や「流れ星のロウカ」など、ミステリアスな題目が目白押し。
なお、星空学校の本番は7月28日。当初の目的であった星空観察もするため、いつもより遅めの16時スタートとなった。これまでの「放課後の学校クラブ」の歴史の中でも、日没後まで「もうひとつの学校」を開くのは珍しい試みだ。しかも、この日は学校のすぐ近くで盆踊りも行われているらしい。何やら夏の夜らしい賑やかな1日になりそうな予感がする。
インフォメーション
放課後の学校クラブ「かがやけ!!星空学校」
日時 2024年7月28日(日) 16時~19時
会場 水戸市立浜田小学校コミュニティ室(水戸市浜田1丁目1-1)
※ご参加を希望される場合は、以下の連絡先までメールにてご連絡ください。
お問い合わせ先
メール:ichikawa.hiroya@gunma-u.ac.jp
コメントをお書きください