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第五十回 放課後の学校クラブ 第21回 「かがやけ‼星空学校」の発表会

星空学校に向けた直前準備

 

 6年生部員の卒業と新入部員の加入により、また少し雰囲気が変わった《放課後の学校クラブ》の現場。7月28日には、新体制となって初めてとなる発表会を開催した。今回のテーマは「かがやけ‼星空学校」ということで、4月の終わりから各々に準備を進めてきた(準備の様子はこちらから:第20回「かがやけ!!星空学校」に向けて)。

 

 当日は、久しぶりにたくさんの大学生がはるばる群馬から参加。まずは、子どもたちから自己紹介をしながらそれぞれの取り組んでいる内容を紹介していく。明確に説明できる部員もいれば、まだ定まっていない部員もちらほら。星空学校のスタートは夕方の4時だったため、残り2時間ちょっとで最後の準備を進めていくことになった。

 その前に、まだ教室内での配置を決めていなかったため、黒板でおおよそのフォーメーションを検討。教室前方の黒板付近では「みずがめさんのお夜食」。向かって左側に「七夕放送室」。窓側の水道の前では「星が流れる水道」。教室中央では「星の流れる階段」の展示。黒板の向かい側では「おとめの図書館」。そして、昇降口から入り口に向かう途中の廊下では「星がたくさんふるろうか」。このようなプランで展開されることになった。

 持ち場が決まったら、それぞれに移動して準備を進める。色水が入ったペットボトルを並べたり、ペットボトルのふたに星をかいた紙を貼ったり、惑星の絵を展示したり、ダンボールにルールや説明を書いたり……大学生チームは子どもたちのサポートをしつつ、教室を暗くするために窓に黒いビニール袋を取り付ける。少しずつ会場が暗くなったら、星空学校モードへ。

 

黒板に「星空学校」のマップを書く
黒板に「星空学校」のマップを書く

みずがめさんのお夜食準備中
みずがめさんのお夜食準備中
「星が流れる水道」準備中
「星が流れる水道」準備中

「星がたくさんふるろうか」のルール
「星がたくさんふるろうか」のルール
「星がたくさんふるろうか」の準備中
「星がたくさんふるろうか」の準備中

黒いビニールで暗幕
黒いビニールで暗幕
惑星の絵を展示中
惑星の絵を展示中

 

 

多くの来場者で久々のにぎわい

 

 午後4時少し前になると、子どもから大人まで多くの「入学希望者」が集まりだしてきた。いち早くお越しいただいた大人チームは、部員がしばしば買い物に訪れる100円ショップの店員さん。先日、買い物がてらお渡ししたポスターをご覧になっていらっしゃったらしい。実態を伴った地域社会の中にある学校を体現するようなエピソードである。

 このように始まる前からにぎわいつつある状況に対して、子ども部員は「客がたくさん並んでいる~」とそわそわ。「学校だから客とは少し違うような気もするのだが……」と思いつつ、活動に対する率直な捉え方が垣間見える瞬間でもある。いつもドタバタの《放課後の学校クラブ》にしては珍しく、ぴったり時間通りに開校。

   受付を通って星空学校に入学した「生徒」は、興味の赴くままに「授業」に参加していく。教室が暗いため、どこで何をやっているのかが分かりにくいカオスな状況だが、新入部員が担当する「七夕放送室」では、早速に1回目の放送がスタート。七夕の織姫と彦星の伝説に着想を得たオリジナルストーリーを紙芝居仕立てで読み上げる。紙コップでつくった人形劇も相まって聴衆を引き込んでいた。紙芝居が終わったら、物語の内容に関するクイズの時間。気が抜けない授業である。

暗がりの中の星空学校
暗がりの中の星空学校

「七夕放送室」放送中
「七夕放送室」放送中
「七夕放送室」の紙芝居
「七夕放送室」の紙芝居

暗がりにも少しずつ目が慣れてきて、何となく星空学校の全貌も見えてきた。いろいろな時間帯の空の色水をつくっていた「星が流れる水道」のチームは、アイディアを出したメンバーが欠席となってしまったため、急遽新入部員を中心に「授業」を進めることに。色水を時間ごとに並べ替えたり、それぞれの色が示す時間帯の説明をしたり、新たな遊びを生み出したり、折り紙を始めたり、臨機応変に対応していた。

 

 

星が流れる水道
星が流れる水道

 そうこうしているうちに、中学生になった元部員も登場。少し大きくなった部員との再会は嬉しい限り。しばし一緒に紙芝居を聞いたり、廊下で流れ星をキャッチしたり、今までとは違う立場から《放課後の学校クラブ》を楽しんでいた。さらに、当日は学校の近くで盆踊りも開催されていたため、「早く行かないとかき氷をもらえないよ」という貴重な情報も。ほどよい頃合いで切り上げて、みんなでお祭り会場へ。

お祭り会場へ向かう一行
お祭り会場へ向かう一行
星がたくさんふるろうか
星がたくさんふるろうか

 

 

地元の盆踊り大会へ

 

 歩いて数分の場所にある稲荷神社が盆踊りの会場。赤い鳥居をくぐれば、その先には赤い提灯が連なる櫓が組まれ、多くの子どもたちでにぎわう異世界が広がっていた。10年以上前にスーパーの駐車場で「おまつり学校」を開催したことなども思い出す。《放課後の学校クラブ》の部員も、さっそく人混みに紛れてかき氷の列に並んでいた。まさに絵になる夏祭りの一コマであった。

 

 午後6時を過ぎた頃から盆踊りのスタート。まずは子どもの部ということで、みんなで櫓の周りをぐるぐる。学区の枠を超えて、音楽にあわせて踊る群衆の熱気が輝く空間となっていた。中学生の元部員もちゃっかり参加。30分ほど経つと、少しずつ日も暮れてきた。

赤い鳥居をくぐれば
赤い鳥居をくぐれば
お祭りの櫓
お祭りの櫓

 そろそろ星空が見え始める時間帯ではあるが、あいにくこの日は曇天模様。きれいな星空を観察することは叶わなかった。時刻はもうすぐ午後7時。お祭りの喧騒を後にして、星空学校の会場へ戻り片付けの時間。みんなで協力しながらあっという間に元通り。「星が流れる水道」のチームは、他の部員などに空の色水を配布していた。

 

 久しぶりに多くの「生徒」が訪れたもうひとつの学校。校舎の内外を行き来することで、いつも以上に地域(まち)とのつながりを実感する機会となった。次回の活動日は9月1日。今回の振り返りをしながら次なる学校の構想を練っていく予定である。

 

黒板をきれいに
黒板をきれいに

 

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