やりたいことを決めよう
7月に開催した「かがやけ‼星空学校」からあっという間に季節は廻り、その間も淡々と活動を続けてきた《放課後の学校クラブ》。新入部員を交えて次なる学校づくりに向けた準備を進めるため、前回の「星空学校」をふりかえったのは9月のできごと。当日に参加できなかった部員もいたため、写真を見ながら報告会を行った。
一区切りついたら、高学年部員を中心に自然と話し合いが始まる。黒板には「次やりたいことを決めよう」というめあてが青い四角で囲まれた。思い思いに「詩」「えんそく」「どうぶつえん」といったキーワードが挙がる。
ことあるごとに再登場する年間計画に照らし合わせてみると、何となく見通しも立ってくる。例年、クリスマスの時期にあわせて何かしらのイベントを行ってきたため、今年もクリスマス会と発表会をあわせて何かを企画しようという話にまとまっていく。開催予定日は12月22日となった。
おおよその着地点が定まったら、内容を固めていく段取りへ。クリスマスということでおなじみの「プレゼント交かん」に始まり、夏に引き続き「冬の星空観察」、「ダンス祭」や「のど自まん」、「ボーリング」といった忘年会さながらのラインナップも……おおよそ出揃ったら、手を挙げてやってみたいことを絞っていく。
すると、多い順から「おばけやしき」に6票、「冬の星空観察」に4票、「どうぶつえん」と「夜道のさんぽ」に3票ずつ。これらを手掛かりに次回の「学校」のテーマを決めていく。いくつかの言葉を組み合わせながら「動物園のおばけやしき」や「夜のおばけ動物園」などといったフレーズが考案され、最終的には「夜空のおばけ動物学校」となった。
模造紙の上のファンタジー
無事にテーマは決まったものの、その正体はまだまだ闇の中。そこで、まずは大きな紙に「夜空のおばけ動物学校」の想像図をかいていくことに。
5年生チームは西洋風のおばけやしきをもとにイメージを広げていく。そこにはガイコツやメデゥーサなど人ならざる住民がいるようだが、それぞれ「がいコツオ」や「メデュ・メデュサ子」といった名前もつけられていた。家族構成など、緻密なキャラクター設定もなされている。
低学年チームは楽しそうに迷路をかきかき。ところどころにおばけのような不思議ないきものたちが浮遊している。どうやら家で飼っているモルモットが元ネタらしい。ハムスターや猫のようなものもいる。道に迷った動物の子どもたちを親のもとに連れていくストーリーが組みあがっていった。
さっそくつくり始めたいと段ボールを用意したものの、在庫は残りわずか。ということで、近所のスーパーマーケットまで材料集め。子どもたち自ら店員さんに声を掛けて段ボールコーナーへ。「そんなに持ったら途中で運べなくなっちゃうよ」というアドバイスもどこ吹く風。帰り道の道中でバラバラと落ちたものを拾いつつ、最終的には半分以上おとな部員にお任せだったことは言わずもがな。
こうしてみんなで集めた材料を使って試作をスタート。紙にかかれた空想のイメージが少しずつ実体化していく。迷路上をさまよっていたおばけ動物になりきって、隠れ場所を探す様子も見られた。つくって試してまたつくる、新しいメンバーが入ってもおなじみの光景が繰り広げられていた。
そしてもう1組、3年生のお兄ちゃんと妹によるマイペースチームはいつものごとくテーマを気にせず黙々と製作中。今回は大きな箱で「ひみつきち」のようなものをつくっていた。どうやら「あんしょう番号」を入力しないと中には入れないらしいが、教えてはくれなかった。
仮想の「教室」を立ち上げる
と言うことで、今回の「夜空のおばけ動物学校」では、3つのチームに分かれて「授業」を行うことになった。5年生チームは某テーマパークから着想を得た「ホーンデットホテル」、低学年チームは「おばけ動物めいろ」、そして兄妹チームは謎多き「カービーマン」とのこと。
それぞれの内容が見えてきたところで、12月最初の活動日には具体的な配置について話し合った。今回はコンテンツが少ないこともあり、それぞれに大きな空間を用いて迷路のように道をつくり、それぞれを行き来できる構造にするようだ。受付を済ませた「生徒」は、「ホーンデットホテル」を通り、「おばけ動物めいろ」へ、そしてその迷宮の奥に「カービーマン」の館があるという複雑な動線となった。
このプラン(文字通りの平面図)から実際の「教室」を立体的に立ち上げていくわけだが、これはとりわけ低学年部員にとっては難しいプロセスである。ゴールした参加者にわたす景品や途中に置く小物など、手元で作業できるものはすいすいとつくり進めていくが、肝心の「めいろ」にはなかなか着手せず。ここでおとな部員が少しずつサポートに入り、おもむろにイスを並べながら道のようなものをつくっていく。
一方で、「ホーンデットホテル」は机を並べて壁をつくっていた。さらに、本家のアトラクションよろしく乗り物で移動することも構想している。大きめの段ボールでつくった乗り物を引っ張って移動するために試行錯誤。ルート上に紙管を置いたり、裏面にビニール袋を敷いたり、ヒモをつける高さを工夫したり……なかなかうまくいかないが、筆者もおとな部員として「こうすればいいかも」と思いつつ、しばし見守る。
今回は、何となく全体が一つのストーリーにまとまっているような印象を受けたが、果たしてどうなることやら。「夏みたいにたくさん来てくれるといいね」と話しつつ、当日に向けてチラシやポスターをつくり、この日の活動を終えた。大混乱(⁉)の本番の様子は、また次回。
コメントをお書きください